SEの仕事の「大変さ」と「やりがい」、そして将来性について

se仕事に関すること
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SEの大変さや楽しさは何があるのか、また将来的にSEの仕事が無くなるのか?などに焦点をあて執筆してみました。私自身が2003年から2006年まで一般企業でSEとして活動し、その後独立して個人でPC関連の仕事に従事してきました。この経験から得た視点をもとに、SEの仕事の魅力や将来について執筆してみました。

今後、システムエンジニアとして就職・転職される方向けに書かせて頂きます。

私がSEを志した動機

大学時代から、プログラミングに興味があり、自作のCGIなどを制作し、ウェブ上で公開するなどしていました。その趣味が次第に仕事にも繋がればと考え、システムエンジニアというキャリアを選びました。

合同説明会や面接などを通じて、約20社と話をし、勤務地や業務内容、会社の歴史や規模、独立系であるかなどを検討し、いくつかの企業に絞り込んで就職活動を進めました。

実際にIT業界に足を踏み入れてみると、自分の能力を試してみたいという欲求や、システムエンジニアとしての経験を積みたいという思いが最も強かったです。採用面接で具体的に述べたかどうかは記憶にありませんが、おそらく同じような意思を伝えたのではないかと思います。

システムエンジニア(SE)に向いている人の特徴

システムエンジニア(SE)に向いている人の特徴は多岐にわたりますが、以下に挙げる特性がその一端を示しています。

  • 論理的思考能力: SEは複雑な問題に対処する必要があります。そのため、論理的思考能力が高く、問題解決能力があることが重要です。
  • コミュニケーションスキル: SEはチームでの作業が主体となることが多いため、優れたコミュニケーションスキルが求められます。他のメンバーと円滑に協力し、要件を理解し、説明する能力が必要です。
  • 継続的学習意欲: 技術は日々進化しており、新しいツールや言語、フレームワークが登場します。SEには継続的に学習し、最新の技術トレンドやベストプラクティスに対応する意欲が求められます。
  • ストレス耐性: プロジェクトの期限に追われたり、複雑な問題に直面したりすることがあります。そのような状況下でも冷静さを保ち、効果的な解決策を見つけるためには、ストレス耐性が必要です。
  • 柔軟性と適応力: プロジェクトの要件や環境が変わることがあります。SEは柔軟に対応し、変化に迅速に適応できる能力が求められます。
  • 詳細志向: SEは細かな部分にも注意を払い、プログラムやシステムの詳細を把握する必要があります。そのため、詳細志向の人が向いています。

これらの特性が揃っている人は、SEとしてのキャリアに向いている可能性が高いでしょう。ただし、SEの仕事は多様であり、特定の特性だけが全てではありません。それぞれの人が持つ個々のスキルや興味に合わせて、自身の強みを活かすことが重要です。

IT業界の裏話

IT業界への初めての足掛かりを持たないまま、私はその内部に飛び込んだ際、予想以上の驚きに出会いました。その驚きを簡潔に箇条書きすると、

  • 労働時間が非常に長く、週に70時間以上、忙しい時には80時間以上の労働も珍しくありませんでした。
  • 長時間労働にも関わらず、残業代がほとんど支払われないという現実がありました。
  • 学ぶべきことが膨大であり、知識の不足は仕事の範囲を制限することにつながりました。
  • プロジェクトメンバーのスキルによって、個々の負担が大幅に変動しました。
  • 年齢が若いうちに業界から去る人が多く、40歳以上のSEを見かけることはまれでした。
  • 上流工程の設計不備により、理不尽な仕様変更が相次ぎ、多くのSEが苦しめられました。
  • 他の職種と比較して、システムエンジニアの給料は低く、2年目で年収400万円というのも珍しくありませんでした。
  • 退職率が非常に高く、転職が当たり前という風潮がありました。同期のうち2割以上が3年以内に辞めていく姿が珍しくありませんでした。

これに加えて、裏側には書類の不正も横行していました。プロジェクトごとにプログラム品質に関する報告書が提出されますが、その数値はしばしば操作されていました。バグの数が少なすぎると疑われるため、実際には存在しないバグを報告したり、逆にバグの数を過大に見積もったりすることが日常茶飯事でした。

また、内部設計書も粗雑なものが多く、プログラミングの際に参照する仕様書としては不十分でした。プロジェクトに新たに参加するメンバーが、仕様書を読んだだけでは理解できないケースも珍しくありませんでした。

「やりがい」より「辛さ」

厳しい労働環境の中で、日々のストレスに立ち向かいながら仕事をこなすことが当たり前でした。しかし、その中で新しいことを学び、スキルを磨く喜びを感じることがありました。「こんなに成長できるんだ!」という実感が、やりがいの源泉でした。

しかし、やりがいよりも辛さの方がよく感じられました。低い給料に関してはあまり気になりませんでしたが、プライベートの時間が極端に不足していたことが、転職を決意させる原因でした。終電で帰宅し、2~3時間しか睡眠時間が取れない日々や、休日出勤が続く中で、「これが10年、20年も続くのか?」と自問しました。

私にとって、仕事を楽しむためには充実したプライベートの時間が必要でした。しかし、その時間すら与えられない会社に、これ以上貢献することが難しいと感じました。3年間も我慢しましたが、結局は転職を決断することになりました。

 SEの未来展望

2035年頃までには、感情を持った汎用人工知能(AGI)が完成する可能性が高いと言われています。このAGIは、人間の数千倍もの知能を持つとされており、すでにAIが医師の試験に合格するなど、その進化は著しいものがあります。

IT業界においても、自動化技術が進展し、一部のタスクは既に自動化されています。その結果、SEの役割も変化していくでしょう。しかし、SEの仕事が完全になくなることはまだ先の話です。むしろ、AIをサポートする新たな職種が登場し、需要が高まっていくと考えられます。

AIクリエイターやAIアドバイザーなど、人間の知恵と経験を活かしてAIを制御し、最適な利用方法を提案する仕事が増えてくるでしょう。SEの役割は変化し、より高度なスキルや洞察力が求められるようになるかもしれませんが、完全に消滅するということはないと考えられます。AI技術の進化に伴い、SEも新たな価値を持ち続けるでしょう。

さいごに

システムエンジニア(SE)として一生食べていくためには、常に学び続ける姿勢が不可欠です。技術の進化は速く、新しい知識やスキルを身につけることが重要です。スキルだけでなく、長時間の労働に耐える体力も必要です。IT業界では残業や休日出勤が当たり前とされることが多いため、その厳しい労働環境にも対応できる準備が必要です。

また、就職先がブラック企業であることがわかった場合は、早めに転職を考えることも重要です。自身の健康やキャリアを守るためにも、適切な環境で働くことが大切です。

さらに、将来的にはSEの仕事が減少する可能性も考慮すべきです。技術の進化や自動化の進展により、一部の業務がAIや自動化技術に置き換えられることがあります。そのため、将来のキャリアプランを見据えて、柔軟性を持ったスキルや知識を身につけることも重要です。

以上のポイントを心に留め、SEとしてのキャリアを築いていく際には、常に自己成長を忘れずに努力してください。

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