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ネット麻雀の原点『東風荘』を振り返る—懐かしのオンライン卓

東風荘 生活ラボ
東風荘

1990年代後半、インターネットが徐々に普及し始めた中で、多くのプレイヤーが集った場所がありました。それが、ネット麻雀の先駆けとも言える『東風荘』です。手軽に麻雀を楽しめるだけでなく、全国のプレイヤーと対戦できるという新しい体験は、麻雀愛好家たちを魅了しました。1996年から2015年まで続いたこのサービスは、多くのユーザーにとって特別な場所となり、今もなお思い出として語り継がれています。この記事では、東風荘での思い出やその時代の熱狂を振り返りながら、ネット麻雀の原点について掘り下げていきます。

  • この記事は、ネット麻雀「東風荘」を振り返るだけの記事です。
  • この記事の執筆者は、東風荘で1999年から2015年までプレイしていました。

補足:東風荘(http://mj.giganet.net/)

東風荘について

東風荘のサービス概要

『東風荘』は1997年6月18日から2015年11月30日まで、基本無料で遊べるネット麻雀として運営され、15万人以上の会員を抱えていました(会員数はおおよそです)。Windowsアプリを使用してプレイし、後にモバイル版も登場。チャット機能も実装され、麻雀よりもチャットを楽しむプレイヤーも多数存在しました。サーバ(第1~3サーバ、VIPサーバ)ごとにルールが異なり、ゲーム中の操作はコマンドを手入力して実行する形式がいくつか実装されていました。

東風荘のサービス終了後

サービス終了後、多くの会員は他の麻雀サイトに移行しましたが、それらも次々に終了し、現在は有料の麻雀サイトで遊んでいると考えられます。『東風荘』終了後も、一部の元プレイヤーは掲示板やSNSを通じて交流を続けています。

著者
著者

著者は、東風荘が終了してからネット麻雀はしていませんでしたが、2024年からこっそりネット麻雀で遊んでいます。HNは東風荘で使っていたものです。

東風荘の思い出

ここでは東風荘の思い出を少し振り返ってみたいと思います。

上級卓、超上級卓の観戦ができる

リアルタイムで観戦できるので現在のライブ配信のような感じで楽しめます。東風荘ではプレイヤーの能力をRateという指標を使って表していました。Rateが高いプレイヤーの試合を観戦し、勉強することができます。Rateが1850を超えていると、上級者専用の卓で対局することができ、多くのユーザが観戦していました。観戦は10人まででしたが、人気プレイヤーの試合は、すぐに定員に達していました。

東風荘では、1500を基準としたRateと言われる強さを表す指標が採用されていました。

東風荘は、有名人がたくさん

東風荘では、いろんな方がいました。

  • 麻雀が強い人
  • 団体を作る人
  • ツールを作る人
  • チャットが面白い人
  • 常に東風荘に常駐している人(いわゆる廃人)

いずれも東風荘では有名な方ばかりです。有名な方のHNはあえてピックアップしませんが、元東風荘ユーザなら、一度は見たことがあるのではないでしょうか。

多くの団体が作られた

東風荘の非公式ですが、多くの麻雀団体が作られました。学生や主婦、麻雀の上級者から素人まで幅広い方々が所属していました。団体内の仲間同士でのイベントであったり、他団体との交流戦も定期的に開催されていました。

著者
著者

著者も、当時は団体に所属し交流戦に奮闘していました。が、肝心なところで回線エラーを多発し、苦い思い出が残っています。

各団体のホームページが作成されていました。団体内にIT技術に精通している方がいると綺麗なホームページが作成され、一方で素人が作るようなホームページも多数ありました。

著者
著者

著者が所属する団体は150人を超えており、ホームページは月間8万PVを超えていました。当時、HP作成の素人だったわたくしは、頑張って作っていたのを覚えています。

定期的に公式大会が開催

無料で参加できる大会は一か月のスパンで開催されていました。総合得点と平均順位をもとにランキングが決定します。

またVIPユーザ向けの大会も開催されていました。蛭子さんや二階堂さんが参加するイベント開催された実績があります。この頃はメディアでも取り上げられネットニュースにも出ていました。

VIPユーザは大会に参加できるだけではなく、サーバの混雑時に優先的にログインできたり、VIPサーバで遊べたり、特別なコマンドも使えたりしました。

著者
著者

著者も何度か大会に参加しましたが、なかなか上位にランクインできませんでした。それだけプレイヤーが多かったのかもしれません。3人打ちの大会で、あと少しで平均順位のランキングのトップになれそうなチャンスが1度ありました!

優良なツールが開発される

東風荘のWindows版のアプリは非常にシンプルなものでした。機能を補うために、プログラミングができる東風荘ユーザは、ツールを開発しました。

ツールはシンプルなものや高機能なものもありました。

  • 自動接続
  • 一括ユーザ検索
  • ログイン補助(IDとパスの管理)
  • 牌譜からデータ解析・ゲーム再現
  • チャット補助機能
  • ゲーム画面のスクリーンショット
  • 聴牌チェック
  • 自動打ち

 どれも便利な物ばかりでした。

著者
著者

著者も東風荘のツールをたくさん作りました。そのうちの1つ「国士無双のみ狙う自動打ち」を公開していました。勘のいいひとは、著者のHNに気づくかもしれない(笑)

不思議な光景

上がった人に「おめでとう」、「ありがとう」という習慣がありました。これにはビックリした方は多かったのではないでしょうか。リアルの麻雀の試合だと「あーー!!」といった表情になるのに、東風荘だと振り込んだ人が「おめでとう」という場面もありました。

アプリの仕様上、ノーテンリーチができたり、アプリの「×」ボタンを押すとゲームが強制終了したりするので、驚いたユーザは多かったのではないでしょうか。現在のネット麻雀ではこれらの機能はすでに改善されているので、ネット麻雀の先駆けとなった”東風荘独特な光景”だったのではないでしょうか。
 
また荒らしの規制が緩いので、一部のユーザによる荒らしや迷惑行為が多発しました。待ちをばらしたり、待合室で同じ発言を連呼しサーバに負荷をかける輩が多かったです。

コマンド機能を採用

現在のネット麻雀、ほとんどの機能はボタンを押せば実行されます。東風荘では、機能のほとんどがチャット欄に、コマンドを打ち込む形式が採用されていました。おそらくアプリの不可を軽減するためでしょう。フリテンリーチをした場合にロンしたくない場合は、「/n」のコマンドをチャット欄に打ち込まないと、上がり牌が場に出ると、止まってしまい「上がり牌」がバレてしまいます。

他には、「/w」でユーザ名の戦績(試合数とRate)と場所を確認することができたり、誰が観戦しているのかリスト表示機能「/l」や、卓内のチャットのオンオフ「/chaton /chatoff」などありました。

プライベートなメッセージを特定ユーザのみに送りたい場合は「/t」、 ランキング情報を見たい場合は「/r」と、いろいろなコマンドが実装されていました。

著者
著者

東風荘が無くなってからでも、コマンドをいろいろ覚えているのですよね(笑)。著者の場合は、メインアカウントのIDとパスワードは暗記しています。

東風荘の恩恵

雀力アップした人が多数

東風荘で、雀力が大幅にアップした人がたくさんいます。

強さを示す指標(Rate)の存在が大きかったのではないでしょうか。ランクによって対局できるユーザが変動しますので、少しでもうまくなって上の卓で打ちたいと思う方はたくさんいました。

東風荘の達人が開設しているホームページには、優秀な麻雀講座があり、非常に人気でした。また優秀なツールが開発されたり、観戦機能で勉強したりと、雀力アップに繋がったと思います。

趣味や特技が「麻雀」と答える人も多かったのではないでしょうか。

著者
著者

著者も学生の頃、ネット麻雀に没頭し、1万試合はプレイしたと思います。Rateも3桁まで落ちましたが、一流と言われるRate2000を超えていたこともありました!ちなみに就職活動するときに書いた履歴書の特技の欄に「麻雀」と書きました。

東風荘で生まれたコミュニティ

東風荘では、仲良くなったメンバー同士で、オフ会が多数開催されていました。オフで知り合いリアル友になる人もたくさんいました。男女の仲になるユーザたちもいたり、結婚した人もいます。オフ会で知り合い、数々の人間ドラマが生まれたのではないでしょうか。

東風荘がきっかけで、団体用のウェブサイトを作成する人もいました。当時はSNSがないので、情報の配信はホームページのみとなっています。ホームページでは、麻雀のフリー素材を使って「何を切る?」などの麻雀講座を作っている人も見かけました。麻雀に関するコミュニティでは、ユーザ同士の交流が活発化していました。

著者
著者

著者は、東風荘がきっかけで知り合った方々と会いましたが、多分50人は超えています。上級者同士で雀荘に遊びに入ったりもしました。

さいごに(著者の一言)

著者も東風荘で麻雀が上手になったうちの一人です。どちらかと言えば、麻雀3割、チャット7割で楽しんでいましたので、タイピングのスピードもあがりました。

東風荘のもたらした影響は大きかったと思っています。そして今この記事を書いています。

2024年現在 個人的な主観ですが、東風荘を超えるサービスが出てきません。またこのようなサービスがあれば、遊んでみたいです。

最近はクラウドファンディングを利用し、東風荘に似たようなシステムの構築も考えていたりします。

著者より

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執筆者のプロフ

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